「彼女の夢を叶えたかった」 ー 磯弘美さん追悼出版
◼北海道出身、宇都宮で活動した画家を偲び
8月12日。今年春にこの世を去った画家の追想展が開催される。故・磯弘美さんは、パステル調の柔らかい絵で 沢山のファンから愛されていた武蔵野美術大学卒、北海道出身。病と闘いながら最期の最期まで筆を持ち続けた彼女の作品達を、家族や友人らが中心となり絵本に編集。優しく子どもを思う磯さんの絵が、物語と朗読CDの形となり、出版の運びとなった。初盆に合わせて宇都宮のカフェで追想展示会、来年は北海道で 彼女の友人らにお披露目がされる予定。
◼「そよ風みたいな人でした」。
在りし日の磯弘美さん=ご家族から提供
そよ風みたいな人でした ー そう語り出したのは、今回の出版で朗読CDの語りを行なったアナウンサーの須賀由美子。栃木県内外の複数のメディアで情報を届ける仕事をしながら、現在は栃木県の未来大使として 活躍している。「そよ風みたいな優しい人でした。ご自宅のカフェ&アトリエで磯さんに出会いました。彼女の可愛いねこちゃんの絵に一目惚れして、アートアクアリウムに行って、タリーズの絵本コンテストに出すぞと約束して、、」出会ってまだ2年、磯さんと須賀さんの楽しい約束ごとは、打ち合わせの約束とともに 不意と消えてしまった。出会いも別れも春。夏、秋、冬 それぞれの季節での故人との思い出には、追想イベントを開催するカフェの店長・佐藤秀子さんもいた。
◼「彼女の夢を叶えたかった」。
絵本作りは、このアーティスト達のやり取りを側で見守っていた佐藤秀子さんの力強い存在感が推進力となった。仲の良かった佐藤さんは、彼女の生前の想いを強く知る人の一人。彼女が叶えたかった絵本制作に力を貸したかった。磯さんの夫や演奏家、障がい関連本を執筆している朗読演出家のゆたかあすかさんら が集い始め、宇都宮メディア・アーツ協力のもと、急ピッチで制作が進められた。多忙を極めた中での絵本制作 ー 関係者達は打ち合わせを繰り返し、出来上がった絵本は最後は 夫の手で一冊一冊 が仕上げられた。「まぁ、お金儲けにはならないけど、そんなことではなくてね。弘美を知る方達や、弘美の絵を好きと言ってくれる方達に 届ける何か形がね、欲しかったんですよ。大変だったけど、今頃 弘美も笑ってるんじゃないかな」。と空を指さし、和かに笑う旦那さんがいた。制作に関する出資は全て磯弘之さんが行った。
人との縁を大切にしていたという磯弘美さんの周囲には、彼女が亡くなった今も彼女のことを考えて過ごす人たちで溢れている。絵本よりも、この絵本を出そうと尽力する人たちの行動こそが、彼女の存在証明だったのではと感じました。/記事:ソラノイエ
◼追想展「めいちゃんとりんごちゃん」出版お披露目
《展示及び朗読会》無事多くの方に囲まれて終了致しました。
2018/8/12(日)/朗読:須賀由美子・ギター:清水 孝宏・ピアノ:谷津 雅子
《展示》2018/8/14(火)・15(水)10:30~18:30
場所:カフェ・インクブルー
(宇都宮市江野町9-8山崎ビル)
入場:ワンドリンクオーダー制
※絵本 (税込2,000円)購入者はドリンクサービス
<問い合わせ> 028-688-8501
https://m.facebook.com/cafe.ink.blue/?locale2=ja_JP
◼絵本お求めの場合
本作品は「一冊一冊気持ちを込めて渡したい」というご遺族の要望があり、お求めの際は「磯 弘之 」様へ直接お申し込み願います。